フィラリア予防
フィラリアって何?
フィラリア(犬糸状虫)は、犬の血管内(主に肺動脈から右心室)に寄生する寄生虫です。
大きさは成虫で12~31cmほどあり、白く細長いそうめん状の線虫で、蚊を介して感染します。
フィラリアの感染経路
① 蚊が感染犬の血を吸うと、血管内のミクロフィラリア(フィラリアの赤ちゃん)が蚊の体内に侵入します。
② ミクロフィラリアは蚊の体内で成長して幼虫となり、蚊の口の部分に集まります。
③ 蚊が犬を吸血した際に犬の体内に入り込みます。
④ 犬の体内でさらに成長した幼虫は様々な組織を移動し、感染後約2ヵ月で血管内に侵入します。
⑤ 幼虫は肺動脈や右心室に移動し、感染後約6ヵ月で成虫になります。
⑥ 雌雄両方の虫が感染している場合、感染して7ヵ月後には血管内にミクロフィラリアを産みます。
⑦ このミクロフィラリアは蚊が吸血した際に取り込まれ、さらなる感染源となります。
フィラリア症
・急性フィラリア症…急に呼吸困難などの症状が現れ、一気に全身状態が悪化し死亡することの多い恐ろしい病気です。
虫体が右心房~大静脈に栓塞性に寄生することで起こり、心臓だけでなく肝臓や腎臓にも障害をもたらします。
・慢性フィラリア症…腹水・浮腫・呼吸数増加・頻脈・咳など、主に右心不全症状を示します。
肝臓や腎臓にも障害をもたらします。
フィラリアの検査について
血液を採取して行います。成虫を検出する検査と、ミクロフィラリアを検出する検査があります。
ミクロフィラリアが血液中にいる状態で予防薬を飲むと重大な副作用が起こることもあるため、
予防する前には必ずミクロフィラリアがいないことを確認します。
予防薬と予防期間
予防期間は蚊の活動期間である6月~12月です。毎月1回、内服薬を投与します。
この予防薬は感染した幼虫を殺す薬で、ある成長段階の幼虫にしか効果がないため、
蚊の活動期間中は毎月必ず投与していかなければ確実に予防できません。
※ 大切なわんちゃんをフィラリアから守るために、忘れず最後まで飲ませてあげましょう。